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zoom RSS 風邪の治療とは言うけれど…:風邪に対して必要な医療は何か?

<<   作成日時 : 2014/11/27 21:08   >>

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前回、下記のURLで書いた記事のように、いわゆる風邪薬なんてものは効果がないか、効果があるかどうかが実際には十分に検証されていないものがやたらと多く、使うだけ無駄、というような薬が少なからずあります。そんなわけで、風邪薬をやたらと出すだけのインチはやめろ、という医師もいるわけです。

それは、もちろん正論ですが、風邪をこじらすというリスクはゼロではないわけですから、それに対する対応は必要になるだろうと思います。

前回までの関連記事
 1)風邪の治療なんて言うけれど…:ホントは多くの医師はわかっていない
 URL:http://totorohiroshi.at.webry.info/201411/article_25.html
 2)風邪の治療なんて言うけれど、病院でももらう薬は実はとても怪しい
 URL:http://totorohiroshi.at.webry.info/201411/article_26.html

実際、”風邪ひきに対して役立つ薬はそんなにないのにやたらと薬を出すな”と言いきる医師たちも、薬の使い方やこじらさないためのリスク管理はちゃんと考えていて、様々な検討が行われています。

風邪をひくとしばしば発熱します。強い病原体に対して生体が戦う手段として発熱するのであって、発熱が原因で病気になることはなく、病気を治すために体が熱を出して頑張っている状態なのですが、それを理解しない、できない人は少なくありません。

抵抗力と体力がバランス良く強い子どもは39℃とか40℃の発熱があっても、元気に遊んでいることも少なくありません。人間の脳は体温が42℃を超えない限り、熱によるダメージを受けないことは1980年にはすでに集中治療の世界でよく知られていたことです。危険な高体温域は43℃以上であると書かれている文献もあります。

おとなは本当は37.5℃しかないことを隠して他人の40℃を示す体温計を見せられると、その数字を見て自分の体温だと認識してしまうと、それだけで自分から進んで重症感にひたってしまいます。でも、子どもはそんなことではぐったりしません。元気な時は体温に関係なく元気なんです。おとなは経験をもとに頭で判断するんですね。

解熱剤が病気になった動物の生存率を下げてしまう、つまり死亡率を上げてしまうという実験は1976年のサイエンスという雑誌に掲載された論文をはじめ、1987年の日本人研究者の論文などたくさんあります。解熱剤は熱性けいれんを予防できないことは良く知られた事実であり、解熱剤の種類によっては脳症を起こすリスクが高まると考えられているものもあります。

体温が高い時間が長くなり、熱の影響で水分が取れない、眠れない、食事ができない、など体力や抵抗力が損ねられる恐れがある場合には、解熱剤を使うことの危険性とメリットを比べて適切な解熱剤の使用をする必要があります。

したがって、解熱剤の処方に際して”38.5℃以上の発熱で使います。ただし、高い熱があっても元気があるなら、できるだけ解熱剤の使用は控えましょう。また、市販の風邪薬との併用はしてはいけません”というような説明を医師や薬剤師が行う必要があります。解熱剤の過剰投与は危険なんです。

市販の風邪薬の多くは解熱剤の成分が入っており、医療機関の解熱剤と共通の成分がしばしば含まれていて、併用するとそれらの成分の過剰投与を招くことになり、肝障害や腎障害を起こすリスクが高まるのです。

インフルエンザウイルスのように高熱に弱いウイルスは少なくなく、免疫機能が強く発揮れるほど高熱が出ることは科学的に証明されているので、”高熱であれば高熱であるほど解熱剤を使うべきではないと個人的には考えている”という論文を書いている医師もいます。

そういう大切な情報をきちんと患者やその家族に伝えることが、風邪やその合併症に対するリスク管理上、大切であることが多くの熱心な臨床医に間では議論されていますが、未だにそういう部分に頭がいかない古臭い医師もいるのが現実です。

”古臭い”というと”高齢の医師”だと勘違いする人もいるようです。でも、困ったちゃんでしかない古臭い医師は年齢ではなく、その個人的な資質の問題なんです。有能な医師は高齢になっても最先端を走っていますが、出来損ないは研修医時代はもちろん、中堅になっても、いつまでたっても出来損ないのままなんです。なので、Twittterで年齢が高い医師はダメだとつぶやいている情報弱者がいて思わず笑ってしまいました。

風邪をひくと水分補給が必要ですが、高熱が出るとADHという体の水分調節に関するホルモンのバランスが崩れてしまう人は子どもにも成人にも高齢者にもいます。そんなわけで、熱があるからとやたらとお茶や水ばかり与えると、塩分が不足してしまい、低ナトリウム血症になって全身倦怠感がひどくなったりすることがあります。また、いろいろな要因がかさなって低カリウム血症になって致死的な不整脈が起きてしまうことも、すべての年齢であり得ます。

したがって、水分を取らせる場合には、塩分など電解質を含む果汁やミルクなども含めて病人が好む飲み物をほどほどにとらせることが大切なのであり、無理にたくさん飲ませる必要がないこと、ふだんと同じ様に排尿があれば十分であることも伝える必要があると言えます。

また、風邪に対する知識が不十分なために不安を持つ患者やその家族に対して風邪に合併することがある中耳炎、肺炎、脱水、熱性けいれん、胃腸障害、脳炎・脳症、心筋炎などの知識を必要に応じて、わかりやすく教えることも大切な風邪の治療になります。

知識がないために必要以上に不安になる患者や家族、無知なために子どもの咳でイライラする保護者もいますから、個々の患者とその家族の必要性に応じた対応ができるように勉強しようというのが、最近のちゃんとした医師たちの考え方です。私や旧友たちは、25年前からそういう考え方を提唱してきましたが、ここ数年になってようやく、医学雑誌や医学書でこういう考え方をまじめに特集してくれる医学系出版社が増えてきました。

そうそう、心の病気を抱えていて子どもの咳や夜泣きにイライラする保護者もいます。そういう場合には風邪をひくことが虐待の誘引になることもあります。高齢者の風邪でも同様のケースはあり得ます。

そんなわけで、現代における風邪の治療というのは、薬を処方することではなく、風邪にかかわるいろいろなリスクを管理することだと考えられるようになりつつあります。

もちろん、こういうムーブメントを否定し、効きもしないホクナリンテープを咳止めだ、末梢性鎮咳薬だと言って喘息もない患者に処方する馬鹿な医者は国公立の大学病院にまでいます。大きな病院だからと言って信用するのも間違いです。

ところで、科学的に実証されている風邪薬として安全面も考えて使える薬はないのか、という話になると、実は二つだけあります。

一つは、世界中で市販されている風邪薬のうちで、唯一、有効性と安全性がきちんと検証されているビックスのベポラップです。これは決してステルスマーケット目的の広告ではなく、実際に医学雑誌でも紹介されたことがある薬剤であり、他の市販の風邪薬にはきちんと検証されたものはありません。

指先を使って胸や首にしっかりと塗りつけることで咳や喉の痛みが軽快し、塗り終わったあとの指先で鼻の頭を軽く触れば鼻水や鼻づまりが軽快します。必要に応じて一日に何度でも使えるというメリットもあります。

もう一つは蜂蜜です。どこのメーカーであろうと、蜂蜜は咳止めとして唯一科学的に効果が検証されているものです。実は、日本でも局方ハチミツとして薬価がついていますが、スーパーやネットで買える蜂蜜でも効果にはまったく差がありません。

ただし、1歳に満たない赤ちゃんに蜂蜜を与えると乳児ボツリヌス症という病気になるので、蜂蜜を与えてはいけません。

小児は小さじ1杯、おとなは大さじ1杯の蜂蜜をコップに入れてぬるま湯をコップ1/4か1/3程度入れて良くかき混ぜ、息を吹きかけてさましながらゆっくり飲むと咳を抑えるのに効果的です。咳がひどいときはスプーンでそのまま蜂蜜を口に入れて飲み込むと効果が得られます。口の中に蜂蜜が残りますから、あとから適量の水を飲むほうがいいでしょうね。

蜂蜜が喉の中にある咳の原因になる痰などを胃の中へ落としてくれるという物理的な効果が主な作用だという話ですが、蜂蜜の中に喉を潤す成分が必ず含まれているのだという話もあるようです。

いずれにせよ、効果が本当に期待でいるものは医療機関ではない場所にあるということになるわけで、風邪引きを診る”風邪引き医者”を馬鹿にする阿呆な医師たちに対する皮肉のように思えてしまいます。

まぁ、簡単に割り切って言ってしまえば、風邪をひいたら病院や診療所に急いでいく必要はないということです。風邪じゃないんじゃないか、何か合併症があるんじゃないか、なかなか治らないんだけど…など様々な心配があるときに医療機関に行くほうがいいという話になるわけです。また、風邪かどうかを見極めることができる医師探すことが必要です。現時点では、”風邪が早くなおる薬”はどこにもありません。

今の医療で提供できるのは、”風邪に関連するいろいろなリスクを管理すること”なんです。

さて、これからもこの話の続きを書いていく予定です。

本当は、中国のDQNなお馬鹿画像よりも、こういう記事を一人でも多くの人に読んで欲しいのですが…(苦笑)
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
”ぜんそくっぽい””ぜんそくになりかけ”などという曖昧な話で抗アレルギー薬やホクナリンを使うなどという馬鹿なことをする医者もいますが、メジコンとアストミンを併用するとか、2種類以上の鎮咳薬を併用するナンセンスで馬鹿でしかない医者の診療は黙って受けないようにすることが身を守るためには必要です。

なんとかコデシロップ、なんて麻薬性鎮咳薬をこどもに処方するなんて、正気の沙汰ではありません。そんな馬鹿な医者がいっぱいいますので、気を付けてください。
矢吹 徹
2014/11/28 12:34
2015年3月に日本小児神経学会から「熱性けいれん診療ガイドライン」が発行されました。
発熱時のジアゼパム(商品名:ダイアップ座薬)の投与の適応は
「遷延性発作(15分以上)の既往がある場合
または
「 @焦点性発作または24時間以内に反復
 A熱性けいれん出現前から存在する神経学的異常・発達遅滞
 B熱性けいれん、または、てんかんの家族歴
 C生後12ヶ月未満であること
 D発熱後1時間未満での発作
 E38℃未満での発作 
のうち2つ以上を満たした熱性けいれんが2回以上反復する場合」です。
 つまり、単純性熱性けいれんについて、発熱時投与は通常必要ないとの考えです。
矢吹 徹
2015/06/16 12:08

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